エギの選び方と使い分け徹底講座:イカ夜釣りのキモ

エギの選び方と使い分け徹底講座:イカ夜釣りのキモ

1. エギングの魅力と基礎知識

日本各地で親しまれているイカ釣り、通称「エギング」は、四季折々の海を舞台に繰り広げられる自然との駆け引きが醍醐味です。エギングはルアーフィッシングの一種で、「エギ」と呼ばれる疑似餌を使い、主にアオリイカやコウイカをターゲットにします。夜の静かな漁港や磯場で、潮の流れや月明かりを感じながらロッドを振る体験は、日常を離れた特別な時間となります。
エギングを始める前に知っておきたい基本情報として、まずエギ自体の構造や種類があります。エギは伝統的な和製ルアーで、ボディ形状やカラーリング、重さなど多彩なバリエーションが存在し、それぞれ異なる状況で活躍します。また、イカの生態やシーズンごとの動き、水温や潮位、ポイント選びも重要な要素です。
エギングは初心者からベテランまで幅広く楽しめる釣りですが、ちょっとした知識と工夫が釣果を大きく左右します。本講座では、エギの選び方と使い分けに焦点を当てつつ、日本独自の釣り文化とともに、その奥深さをご紹介していきます。

2. エギの種類と特徴

イカ夜釣りにおいて、エギの選び方は非常に重要です。主に「ベーシック」「シャロー」「ディープ」といったタイプが存在し、それぞれ特有の形状や使いどころがあります。ここでは各エギの特徴を表でまとめ、どのような状況で使い分けるべきかをご紹介します。

エギタイプ 沈下速度 おすすめシチュエーション 特徴
ベーシック(ノーマル) 中速(約3秒/m) オールラウンド、潮流が普通、水深2~5m 最も汎用性が高く、初めての場所や迷った時におすすめ
シャロータイプ 遅い(約6秒/m) 浅場、藻場、根掛かりしやすいポイント ゆっくり沈むので浅場でも安心して攻められる。春先や藻場狙いにも◎
ディープタイプ 速い(約1.5秒/m) 水深が深い場所、潮流が速いとき 素早くボトムを狙いたい時や、沖への遠投後すぐにレンジへ到達したい時に活躍

それぞれのエギには独自の役割があります。例えば、潮止まりや活性が低い時はシャロータイプでじっくり見せる戦略が効果的。一方で、潮流が強くエギが流されやすい場面ではディープタイプを選ぶことでアピール力を維持できます。自分の釣り場やその日の状況に合わせて、適切なエギをセレクトすることがイカ夜釣り成功のカギとなります。

カラー選びのポイント

3. カラー選びのポイント

状況に応じたカラー選択の重要性

イカ夜釣りでエギのカラーを選ぶ際、日中・夜間、天候、水質といった自然環境が大きな影響を与えます。同じ場所でも時間帯や天候が変わるだけでアオリイカやコウイカの反応もガラリと変わるため、その場その時の状況に合わせたカラー選びが釣果アップのキモです。

日中と夜間で使い分けるカラー

晴れた日中はナチュラル系カラー(クリア、オリーブ、ブラウンなど)が定番。太陽光が水中に差し込み、自然な色合いがイカの警戒心を和らげます。一方、曇りや夕マズメ、夜間は視認性を高めるピンクやオレンジ、グロー(蓄光)系が効果的。特に暗くなるほどイカはシルエットや光を頼りに獲物を探すので、強調された色や光るタイプが活躍します。

天候ごとのおすすめカラー

  • 晴天:クリア系・ブルー・ナチュラル系
  • 曇天・雨天:チャート(蛍光黄緑)・ピンク・グロー系

晴れの日には透明感あるナチュラルカラーで警戒心を解き、曇りや雨の日は目立つ色で存在感を出してイカにアピールすることがコツです。

水質別のエギカラー選び
  • 澄んだ水:クリア系・ブルー・グリーンなど自然色
  • 濁った水:オレンジ・チャート・グローなど明るく目立つ色

澄み潮では自然になじむカラーを選び、濁り潮や波っ気がある場合はイカから見つけてもらいやすい派手めの色が有効です。エギングバッグには複数の定番カラーを常備し、その日の状況に合わせてローテーションすることで釣果アップにつながります。

4. 重さとサイズの使い分け

イカ夜釣りでのエギ選びにおいて、重さとサイズの適切な使い分けは極めて重要です。ポイントや潮流、水深など、釣り場の条件ごとに最適なエギを選ぶことで、アオリイカとの出会いがぐっと増えます。

エリア別:エギの重さとサイズの選び方

まずは、下記の表で代表的なシチュエーションごとのおすすめエギサイズと重さを確認しましょう。

ポイント/状況 潮流 水深 おすすめサイズ おすすめ重さ
港内・漁港 弱い 浅い(〜5m) 2.5号〜3.0号 10g〜15g
磯場・外洋 強い 深い(10m以上) 3.5号〜4.0号 20g以上
サーフ・砂浜 中程度 中程度(5〜10m) 3.0号〜3.5号 15g〜20g
堤防先端(潮通し良) 強い 深い(8m以上) 3.5号〜4.0号 18g〜25g
小規模な入り江や静かな湾内 ほぼなし〜弱い 浅い(〜3m) 2.0号〜2.5号 7g〜12g

重さとサイズで狙うレンジを調整するコツ

水深が浅い場所や潮が緩やかな時:
軽めで小型のエギ(2.0~2.5号/7~12g)がナチュラルにフォールし、警戒心の強いイカにも有効です。

潮流が早い・水深が深い場合:
大型かつ重め(3.5~4.0号/20g以上)のエギを選ぶことで、狙いたいレンジまで素早く沈められ、潮に流されにくくなります。

季節やターゲットサイズによる調整も大切!

  • 春~初夏:大型の親イカ狙いならボリューム感ある3.5~4.0号がおすすめ。
  • 秋:新子狙いやプレッシャーが高まる時期は小型(2.0~2.5号)が効果的。
まとめ:状況ごとの“使い分け”で釣果UP!

「エギの重さとサイズ」は、その日の海況や釣り場の環境、狙うイカのサイズによって柔軟に使い分けることが大切です。現地でこまめに変更しながら、自分だけのベストパターンを見つけてみましょう。

5. 季節やシチュエーションによるエギ使い分け

春イカ攻略:大型狙いのエギ選び

春は産卵を控えた親イカが接岸し、大型を狙える絶好のシーズンです。水温も安定し始めるこの時期は、イカの警戒心が強くなるため、ナチュラルカラー(アジ、サバなど)クリア系ボディのエギが効果的です。また、大型個体には3.5号〜4号のサイズを中心にセレクトしましょう。潮が効いている場合はウェイトの重いタイプを選ぶことで、レンジコントロールもしやすくなります。

秋イカ攻略:数釣り・活性重視のカラー選択

秋は新子と呼ばれる小型イカが多く、数釣りが楽しめます。この季節はイカの活性も高いため、オレンジやピンクなどアピール力の強いカラーや、2.5号〜3号の小型エギが有効です。日中はフラッシング効果のあるホログラム系、夕マズメにはグロー(夜光)タイプもおすすめ。状況に応じてテンポ良くカラーローテーションし、多くの反応を引き出しましょう。

夜釣りでのエギ選び:視認性と波動重視

夜釣りでは水中の視界が限られるため、グロー系(夜光)やケイムラボディなど発光する素材のエギが圧倒的に有利です。また、わずかな明かりでも目立つホワイトやチャートリュース系カラーも効果的。夜間はイカの聴覚・側線で感じる「波動」への反応も良いので、布地表面に凹凸加工されたモデルや、水押しの強い形状にも注目してみてください。

雨天・濁り潮対応:アピール力アップが鍵

雨の日や濁り潮では、水中でエギが見えづらくなります。こんな時は派手めな蛍光カラー(レッドヘッド、ゴールドベース)や、フラッシュ効果を持つホログラムパターンがおすすめです。また、音でアピールできるラトル入りモデルも有効。濁り具合に応じて普段より1サイズ大きめを選ぶことで存在感を増すこともポイントです。

実践的な使い分けアドバイス

日本各地では場所ごとの傾向や、その日の天候・潮色によって最適なエギも変化します。「今日は曇っているからグロー系」「澄潮ならナチュラル」といった柔軟な発想でローテーションしましょう。迷った時は釣り場で実際にキャストし、水中でどれだけ目立つか確認することも重要です。季節・時間帯・気象条件と相談しながら、自分だけの“勝ちパターン”を見つけてみてください。

6. 実釣で役立つセッティングとアクション

現場で活きるエギの付け方

夜釣りのイカ狙いでは、エギの付け方が釣果を左右します。私が特に意識しているのは、リーダーとの結束方法。一般的なクリンチノットも良いですが、より自然な動きを出したい時はスナップを使わず直結する「ダイレクトノット」がおすすめです。これによりエギのキレが増し、イカへのアピール力が高まります。また、夜間はラインが見えづらいため、蛍光色や視認性の高いリーダーを選ぶとトラブルも減少します。

アクションのバリエーションで誘う

実際のポイントで試して効果的だったアクションをご紹介します。まず基本となるのが「ジャーク&フォール」。ロッドを鋭く煽ってエギを跳ね上げ、その後テンションを保ちながら沈めます。フォール中にアタリが出ることが多いので集中力が必要です。また、活性が低いときは「スラックジャーク」でゆっくり見せたり、「ステイ」を長めにして警戒心を解くなど、状況によって使い分けています。潮流や風向きを感じながらアクションを調整することで、一晩中楽しむことができました。

アタリを取るコツ

夜釣りでは視覚的な変化を捉えづらいため、手元に伝わる微細な振動や違和感を逃さないことが重要です。私の場合、ラインテンションを一定に保ちつつ小まめにロッドティップを見ることで違和感をキャッチしています。特に「モゾッ」とした重みや急なテンション抜けには即フッキング。一度コツを掴むと、まるで海と対話しているような感覚になります。

体験談:思い出深い一杯

ある晩、大潮回りで潮が効いていたポイントで「スラックジャーク」からのロングステイ中、ほんの僅かなラインの弛みに気付き反射的に合わせたところ、1kgオーバーのアオリイカがヒット!その瞬間の手応えと静寂な夜の海の中で味わう達成感は格別でした。

現場ごとの状況変化に合わせてエギやアクションを工夫し、自分だけのパターンを探すことこそ夜イカ釣り最大の醍醐味。ぜひフィールドでも自分なりのセッティング・誘い方にチャレンジしてみてください。